第4回|借金は「善」なのか「悪」なのか
さてさて、第4回目やってまいりました。
ここまで読み進めてくださった方は、
お金の本質がだいぶ見えてきているのではないでしょうか。
今回は、さらに一歩踏み込んだテーマです。
今回のテーマ
「借金は善なのか、悪なのか」
借金に対するイメージ
まずは一度、考えてみてください。
「借金」と聞いて、
良いイメージを持つ方は少数派ではないでしょうか。
多くの方が
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怖い
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危ない
-
人生が詰む
そんな印象を持っていると思います。
ですが、筆者の考えは少し違います。
お金を借りること自体は、決して悪ではありません。
問題なのは「借り方」です。
なぜ日本人は借金を嫌うのか
日本人が特に借金にネガティブなのには、
歴史的な背景があります。
江戸時代に行われた
天保の改革「棄捐令(きえんれい)」
をご存じでしょうか。
当時の最高年利は 約15%。
これは、現代の消費者金融(年15~20%)とほぼ同水準です。
江戸の町では、
この高金利で借金をしていた人が
人口の約半数を占めていたとも言われています。
結果どうなったか。
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利息が利息を生み
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元金が減らず
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返済地獄に陥る人が続出
その救済策として出されたのが「棄捐令」。
利率を下げ、返済を軽くする政策でした。
こうした歴史から
「借金=破滅」
というイメージが、日本人の中に深く刷り込まれたのでしょう。
海外との違い
ちなみに、北欧など一部の国では
消費者金融という仕組み自体がほぼ存在しません。
お金を借りる=銀行から借りる
というのが一般的。
そのため
日本の消費者金融のような
高金利の借金が生まれにくい構造になっています。
住宅ローンという「別格の借金」
さて、ここからが本題です。
このブログは建築会社のブログですので、
住宅ローンについて触れていきましょう。
多くの住宅購入者が利用する住宅ローン。
その金利は 年利1%前後 が主流です。
ここで、
第2回で扱った「インフレ」を思い出してください。
世界は
年2%の物価上昇を前提に回っています。
具体的な数字で見てみる
住宅ローンの場合
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借入額:5,000万円
-
金利:年1%
-
期間:35年
👉 返済総額:約 5,940万円
一見、とてつもない金額に見えますよね。
ですが、年2%ずつインフレした場合、
35年後の5,940万円の価値は約2,970万円です。
消費者金融の場合
一方、消費者金融は
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返済期限が明確でない
-
利息のみを払い続けることも可能
= 実質、返済総額は青天井。
仮に同じ35年で返し切ったとすると、
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借入額:5,000万円
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金利:年15%
👉 返済総額:約 2億6,400万円
👉 35年後の価値:約 1億3,000万円
どちらで借りたいですか?
ここまで見ていただければ、答えは明白ですよね。
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年1%
-
年15%
当然、**年1%**を選ぶはずです。
では、銀行側はどうでしょう?
ここが重要な視点です。
銀行は
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金利1%
-
35年後に返ってくる
-
実質価値は約2,970万円
正直に言えば、
銀行にとってはほとんど儲からない取引です。
銀行側が
「価値を維持できる」のは金利2%以上。
2%でもやっと現状維持。
それでも薄利なのは変わりません。
住宅ローンは「異常なほど優しい」
ここまで理解すると、見え方が変わります。
住宅ローンは
銀行が儲けるための商品ではない
むしろ
人生の基盤を作るために、国と銀行が用意した制度
と言った方が近いでしょう。
それでも怖いものは怖い
とはいえ、お金を借りるのは怖い。
これは本当にその通りです。
ただ、
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世の中の仕組み
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金利の意味
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インフレの考え方
これらを知ることで、
怖い借金と、怖くない借金
を見分けられるようになります。
PS|奨学金について
奨学金も金利は 1%以下。
「学生に借金を背負わせるのは悪だ」
という意見もありますが、筆者はそうは思いません。
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一人暮らし
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勉学に集中できる環境
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家庭環境に左右されない学びの機会
奨学金は
学ぶ権利を守るための制度です。
借金という言葉だけで拒否せず、
中身を理解することが大切だと思います。
過去の投稿はこちら
https://obuseyumenoya.com/blog/27371/
↑第一回資本主義を学ぼう
https://obuseyumenoya.com/blog/27424/
↑第二回インフレ値上がりの攻略法
https://obuseyumenoya.com/blog/27461/
↑第三回コストパフォーマンスとは

